理事長挨拶

作成日:2016.09.27
更新日:2020.07.29

理事長就任のご挨拶

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2020年(令和2年)6月27日付で、一般社団法人日本小児血液・がん学会理事長を拝命致しました。大役を仰せつかり、重責に身の引き締まる思いです。COVID-19感染拡大の厳しい状況ですが、米田光宏・滝田順子両副理事長とともに理事・評議員の皆様のご支援を頂きながら会員の皆様と、こどもたちのために全力を尽くしたいと存じます。よろしくお願い申し上げます。

本学会は、日本小児血液学会(1960年設立)と日本小児がん学会(1985年設立)が、小児の血液疾患とがんに関する医学・医療の向上をめざして、2011年に統合されたものです。石井榮一先生、堀部敬三先生、檜山英三先生、そして細井創先生が、歴代理事長として、“診療・研究・教育”を中心とする活動領域の基盤を築かれ発展させられました。会員数は医師、看護師などを中心に現在2千名をこえます。本学会の使命は小児の血液疾患とがんの“医学”を発展させ、社会に還元して“医療”を充実させることです。この領域の医療環境のボトムアップと学術成果のピークアップをめざして、世界をリードする学会へ発展することをめざします。専門が多領域にわたるのが本学会の特徴ですので、会員の叡智を結集し心を一つに邁進したいと思います。

私が研修医の頃、致死的または不治の病だった小児の白血病、神経芽腫、造血不全・免疫不全、血友病などの治療成績は、本学会の多くの先達の熱意と努力により向上しました。根治可能な疾患も増えましたが、脳腫瘍や希少難病など厳しい現実に立ち向かうこどもたちが待っています。CureとCareを考えながら、グループ研究を世界でもいち早く導入されたのは本学会の創始者の先輩方であり、診療科をこえた連携が現在の学会の姿に表れています。造血細胞移植、免疫・分子標的療法、再生医療、遺伝子治療などが進化し、がんゲノム医療が実装され、小児も層別化から個別化医療の時代を迎えます。私たちは、血液疾患とがんのこどもたちに特有なゲノム医療と発症前診断、虐待、教育などの問題に、医学と医療の両面から、命を育む長期的視点で取り組まなくてはなりません。専門医制度、働き方改革、男女共同参画、医療経済などへの対応も必要です。感染症対策と予防接種を含めた予防医療は特に重要です。今年はとくにCOVID-19のパンデミックのなか、学会活動が大きな転換期を迎えます。

学会は国内の連携を深め診療の質向上をめざして、国際的にもこの領域の医療・医学を発展させる体制構築を全国レベルで支援することが求められます。世界的な臨床応用研究重視の流れにこそ、基礎研究の必要性と魅力を若い世代に伝える責務があります。高い志を持つ優しく優秀な若者が患児を救う原動力です。学術集会や各地で、Webで開催される質の高いセミナーを通じて会員が研鑽可能な環境整備を進めます。学会活動は政治や経済とも関連します。患児とご家族、そして医療者の思いが届くように、中立性と透明性をもって積極的に行政や企業など各方面と対話を進めます。日常診療に携わる会員と患児のご家族の意見を反映した開かれた学会をめざし、必要な情報をホームページやメールで迅速にお伝えいたします。

本学会の原点は、地域に根差した専門性の高い会員ひとりひとりが領域をこえて連携する全国の輪です。本学会がこどもたちのために発展するよう努めて参ります。何卒ご指導とご支援をお願い申し上げます。

日本小児血液・がん学会
理事長 大賀 正一
(九州大学大学院医学研究院成長発達医学[小児科])