理事長挨拶

作成日:2016.09.27
更新日:2026.07.09

ご挨拶

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理事長 滝田 順子

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副理事長
菱木 知郎

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副理事長
盛武 浩

 この度、2026年(令和8年)6月の社員総会におきまして、一般社団法人日本小児血液・がん学会理事長を拝命いたしました。伝統ある本学会の舵取りを担うこととなり、その責任の重さに身の引き締まる思いでおります。

 日本小児血液・がん学会は、1960年に設立された日本小児血液学会と、1985年に設立された日本小児がん学会が2011年に合併して誕生しました。小児血液疾患と小児がんという、専門性が高く、かつ多職種・多領域の連携を必要とする分野を包括する学術団体として、これまで多くの先達の先生方が、診療、研究、教育、制度整備の各方面において本領域の発展に尽力されてきました。私自身も本学会を通じて多くを学び、育てていただいた一人です。これまで本学会を支えてこられた先生方のご尽力に深く敬意を表しますとともに、その歩みを次の世代へ確実につないでいくことが、理事長としての大きな使命であると考えております。

 小児血液・がん領域は、近年大きな変革期を迎えています。ゲノム医療、免疫療法、分子標的治療、細胞療法などの進歩により、診断・治療は大きく発展し、かつては困難であった疾患にも新たな治療の可能性が広がっています。一方で、難治例・再発例への対応、晩期合併症や長期フォローアップ、AYA世代への支援、地域差を含む医療提供体制の課題など、なお多くの課題が残されています。また、小児用医薬品の開発におけるドラッグラグ・ドラッグロスは、こどもたちに必要な治療を届けるうえで極めて重要な問題です。

 このような状況の中で、私は理事長として、いくつかの課題に重点的に取り組んでまいりたいと考えております。

 第一は、若手医師・研究者の育成です。本領域の未来を支えるのは、次世代を担う若い力です。小児血液・がん領域は、臨床力、研究力、多職種連携、臨床試験への理解など幅広い力が求められる分野です。若手がこの領域に魅力と誇りを持ち、安心して研鑽を積めるよう、教育の機会を充実させ、学術集会や委員会活動、国際交流を通じて成長できる環境づくりを進めてまいります。

 第二は、ドラッグラグ・ドラッグロスへの取り組みです。海外で有効性が示されている薬剤や新たな治療法が、わが国の小児患者さんに速やかに届かない状況は、学会として真摯に向き合うべき課題です。関連学会、研究グループ、行政、規制当局、企業、患者・家族の皆様と連携し、臨床試験基盤の強化、リアルワールドデータの活用、国際共同試験への参画などを通じて、必要な治療をこどもたちに届けるための環境整備に取り組んでまいります。

 第三は、研究の国際化です。小児血液・がん領域は希少疾患が多く、一国のみで十分なエビデンスを構築することが難しい分野です。わが国の優れた研究成果を世界に発信するとともに、国際共同研究や国際共同臨床試験への参画をさらに推進し、世界の知見を日本のこどもたちに還元できる体制を強化したいと考えております。とくにアジアを含む国際的な連携を深め、相互に学び合いながら本領域全体の発展に貢献してまいります。

 第四は、女性医師をはじめとする多様な人材の活躍支援です。本学会では、すでに多くの女性医師・研究者が診療、研究、教育、学会活動において重要な役割を果たしています。今後は、ライフイベントとキャリア形成の両立、研究継続の支援、指導的立場への登用などをさらに進め、性別や働き方にかかわらず、すべての会員がその力を十分に発揮できる学会を目指してまいります。

 第五は、専門医制度の整備です。専門医制度は、単なる資格認定の仕組みではなく、本領域に志を持つ若手を体系的に育成し、患者さんとご家族に信頼される専門家を育てるための重要な基盤です。日本専門医機構との関係を踏まえつつ、本学会の専門性と実情に即した制度を整備し、研修の質の保証と若手のキャリア形成支援の両立を図ってまいります。

 本学会は、小児血液疾患および小児がんに関わる医師、研究者、看護師、臨床試験・データ管理に関わる専門職など、多職種の力が結集する学術団体です。私たちの共通の願いは、病と向き合うこどもたちとご家族に、最善の医療と希望を届けることです。そのために、診療、研究、教育、制度、社会への発信を有機的につなぎ、持続可能で質の高い小児血液・がん医療の未来を築いてまいりたいと考えております。

 微力ではございますが、副理事長、理事、監事、評議員、各委員会の先生方、そして会員の皆様と力を合わせ、本学会のさらなる発展に誠心誠意努めてまいります。皆様の温かいご支援とご協力を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

日本小児血液・がん学会
理事長 滝田 順子
(京都大学大学院医学研究科 発達小児科学)